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さて、ここ東北大学は?

問題提起 幕田 友顔

・現状
それでは最後にここ東北大学について見てみることにする。
現在、東北大学のサークルは、サークルの中から文化部サークル協議会(以下、サ協)の運営委員会を選出し、学生の手によってサークルを運営している。サークルに関する決定事項は、サ協の選挙も含め、年二回行われる定例のサ協総会(部室のある全サークルが出席)によって決められる。つまり、サークルに関する決定は全て学生で決め、学生によってサークルを運営している。また、運動部サークルは運動部会議(以下、運会)が運営している。
この決定を元にサ協、運会が大学との窓口となり、大学に予算などの要求を行う。大学の窓口は学生生活協議会(学生協)の中の川北委員という教授たちである。この交渉による結果をサ協、運会が各サークルに返していく。
サークル棟は「管理運営規定」という大学からの規則(一方的なもので、学生は一切同意などしていない)によれば、「8時半から21時までの使用」、「土、日曜日は使用不可」となっているが、ご存知の通り実際は24時間いつでも使用している。これは、サークル員が部室の合カギを管理しているということにもよる。また、1サークル1部室であり、現在約140ものサークルが部室を持ち、日々活動している(重要)。
また、サークルのビラ等に関しては、大学は「指定された掲示板以外(窓、壁など)は掲示禁止」といっているが、新歓時などは特に全く無効化している。
このように、ここ東北大学では他の大学に比べて「規制」などが少ないように見える。よって、なぜこのような形態であるのか、また現在抱える問題点について見ていく。

・これまでの経緯 〜新サークル棟獲得に至るまで〜
1965年、片平からキャンパス移転により教養部が川内へ移転した。しかしこの際、新たにサークル棟が建てられることはなかったらしく、部室の数は不足したという。69年、この状況を改善すべく文化部サークルはサ協、運動部は運会を結成する。そして大学に対して恒久的なサークル棟を要求し、当時の建設委員長の佐川元教養部長に佐川確約「恒久的建築物としてサークル棟を即刻建設する」を提示させた。72年、大学は旧30番台教室を部室として使わせるかわりに、今まで使っていた第1、2サークル棟を取り壊すことを提示してきた。しかし、全く部室が足りていない状況での取り壊しに対して当時の学生は反対した。ちなみに、この頃から大学は「大部屋共用式」を推進していたという。このような条件に対して学生は反対し、サークル棟として第1、2サークル棟、旧30番台教室をこれまでの条件で使用することを獲得した。
しかし、69年から新サークル棟を建てると言っておきながら、78年まで全く何も建っていない。それどころか、その間も第1,2サークル棟の取り壊しを行おうとしてきたという。そして、78年に第1、2サークル棟の老朽化に伴い、仮施設としてのE・F仮棟を勝ち取り、翌年、G棟を勝ち取った。これが現在のサークル仮棟である。
94年、教養部廃止に伴い、今までのサ協、運会との確約を破棄しようとしてきた。しかし、これに対して、サークル活動を守るべく、300人のサークル員が大学による「説明会」に集まり、大学に確約破棄をさせなかった。
そして95年、いよいよ恒久サークル棟の予算がついた。しかし、この建て替えについて、大学は「建て替えてあげる代わり」にと、今までの条件から一変した条件を提示してきた。「現在の新サークル棟以外のサークル施設は全て取り壊さなければ、新サークル棟を使用させない」、新サークル棟は「大部屋共用式」であると提示してきた。これに対し、サークル員は「1サークル1部室、自主管理、自主運営」の元、大学と交渉した。95年から計8回の団体交渉で、のべ参加人数数千人、1回の団体交渉で最大300人を超えるサークル員が集まった。これらの団体交渉により、現在のような「1サークル1部室、自主管理、自主運営」、24時間使用可能の新サークル棟を勝ち取ることができた。また、ご存知のように他の施設(サークル仮棟E・F・Gと課外活動室A・B・C、園芸部室)も健在である。このような経緯の元、現在のような運営形態が成り立っている。

・これまでの経緯の考察
 まず、東北大学にサークルがあることは「あたり前ではない」ということを確認しなければならない。経緯をみてもわかるように、サークルというものは大学が与えてくれるものではなく、私たち学生が自ら勝ち取ってきたものである。大学としてはサークルなどないに越したことはなく、大学はサークルをことあるごとに減らそうとはしても、決して自ら増やそうとすることはない。私たちが普段あたり前のように24時間使っている1サークル1部室のサークル棟も、このような歴史の元に成り立っているということを忘れてはならない。
 本来であるならばこのようなことは最後に書くべきであるが、ここではあえて先に提起したい。なぜなら、この提起を元に現在の問題点について考えてもらいたいからである。

・現在抱える問題点

・「内規」適用問題
ここ数年、大学はサークルに対して「内規」という大学がその昔勝手に取り決めた学生に関する「規則」をサークルに対して適用しようとしてきている。内容としてはサークル棟の使用時間に関しては「8時半から21時まで」というものである。また、サークルのビラ等に関しては、大学は「指定された掲示板以外(窓、壁など)は掲示禁止」といっている。実際、壁や窓にビラを貼ると大学に剥がされてしまうこともある。先は無効化していると述べたが、ここ最近は以下の建て替え問題、カギ問題を通して、「内規」適用を狙ってくることが考えられる。「内規」のうちの「管理運営規定」が適用されるということは、学生が合意もしていない規則がいつのまにか適用されてしまうということである。つまり、名前の通りサークルを大学に管理されてしまうということに他ならない。今後もサークル問題に限らず、「内規」には要注意。

・結成継続届け問題
東北大学の部室を持つサークルは毎年結成継続届けというものを大学に提出している(予算などをもらっているからであると思うが)。システムとしてはサ協が窓口となり、各サークルからサークル名と代表者を書いた届けを集約し、まとめて大学に提出するというものである。サークル問題に関しては大学との窓口は当然サ協で行うものであり、毎年そのようにしてきた。しかし今年に入ってから、すでにサ協から届けを出しているにも関わらず、大学が各サークルの代表者宛に「結成継続届け」を提出せよとの用紙を郵送してきた。また、今回大学から提示された「届け」は、代表者の名前だけではなく、部員全員の名前を書いて提出せよというものであった。
しかし、これはまず大学がサ協という窓口を無視し、サークルに対して個別対応を迫るものであることを確認したい。今までの経緯から考えると、学生はサークル活動を守るために、サ協を中心にサークル員一丸となって大学と交渉を行ってきたが、大学は各サークルとの個別対応によってそのサークル員の団結を断ち切ろうとしている。また、全部員の名簿を要求する背景には、大学として各サークルそして個人を「把握」、つまり「管理」しようとしていることがうかがえる。また以前には、サークル員の名前を警察に売り渡したという事実さえある。このような「届け」を提出してしまえば、今後もこのようなことに使われるのは間違いない。
このような全く合意もない、問題だらけの「届け」については全く提出する必要がないことをサ協で確認し、各サークルともその旨を確認すべくサークル回りを行った。プロパガンダーラとしても、これをサークルに対する個別切り崩し問題と位置付け、サ協を手伝った。結果、すでに提出してしまったサークル若干を除き、各サークルは「届け」を提出しなかった。しかし、来年も以下のカギ問題などとも絡めて、大学は「届け」の提出を迫ってくるのは間違いないので、今後も注意が必要である。

・課外活動室の建て替え問題
 現在、老朽化した課外活動室の建て替えとして、練習棟を建設中である。建て替えと聞いて、よかったと思うかもしれないが、実はそうでもない。
まず、「練習棟の使用時間は夜8時まで」という制限が加えられようとしている。前述の「内規」でさえ21時であるにも関わらず。また、今回の建て替えは大学からの一方的なものであるということも問題である。97年の川内北団体交渉において、川内北キャンパス委員会とサークル協議会・運動部会の間で、「課外活動室A・B・Cおよび園芸部室は暫定存置する。今後も現行のサークル活動を保障し、サ協、運会との合意がない限り、それらの部室の取り壊しはしない」「サ協、運会は、サークル仮棟E・F.・G、課外活動室A・B・C、園芸部室の恒久的活動を保障するために、第2恒久サークル棟の建設を要求する」ことが合意されている。しかし、今回大学は一方的にこの確約を破棄しようとしてきている。さらに、この建て替えは(今賄賂問題がホットな)学長吉本からの「総長思いやり予算」で建てるなどということが「学生協だより」(学生協が勝手に学内に撒く文書)で言われている。(では、この練習棟は賄賂で建つの?という疑問もあるが、今回はおいておくとしても)ここから言える事はこの建て替えによって「大学が建てたのであるから、大学がサークルを管理する」という論理をかざし、すかさず「内規」などの大学の規則を適用してくるということである。
 しかしこの論理にだまされてはいけない。私たちは大学と「内規」など交わした覚えなどないのであるから。従って、今までの確約どおり、早急に練習棟を建てさせる。形態についてはその際にとやかく言われる筋合いなどないのである。

・盗難―鍵問題
 今年の前半、新サークル棟で一時期盗難が多発した。これに対してサ協総会にて、「カギの交換を求める」、「ピッキングなどに強い種類に交換できるよう求める」ことを決定し、大学に要求した。結果カギの交換が行われることになった。しかし、ここでもまた問題が発生している。
 それは、10月17日に学生課生活係長が「部室のカギの取り扱いはこれまでが正常ではなかった」といって、今後は「合いカギを2本長期(1年)貸し出す」と言ってきている。そして、このカギはカギ屋でのコピーは不可能な仕様となっている。従って、このままではカギは警備員室のみでの貸し出し、つまりカギは大学管理となり、それはすなわちいままでの24時間使用が不可能になる。また、大学がカギを貸さなかった場合、部室使用不可という大問題へと容易に発展する。
 しかし、盗難に関しては7月ごろからサ協を中心に呼びかけ対策をとり始め、各サークルの意識向上をはかった。その結果、盗難は起きていない。つまり、カギの管理が問題なのではなく、サークル自身が防犯対策をしっかりとることにより、盗難は防ぐことができるということである。
 よって、自由にサークル棟を24時間使用していくためにも、このようなカギの管理にさせてはならない。

・問題提起
 問題をみれば明らかなように、現在の大学のやり方としては、一定学生に対して甘い汁をすすらせといて、実はそれに伴ってサークルを大学管理にしようとしてくる。しかし、先ほども述べたが、練習棟の建設、カギの交換は甘い汁でも何でもなく、確約に基づいたサークル員にとっては当然の権利である。なぜなら、今回の両方についても「自主管理、自主運営のサークル活動を行う」ことに関しては必須であり、大学は確約に基づき、それを保障する義務があるからである。
 このように大学が甘い汁作戦や、個別に「結成継続届け」を迫る狙いとしては、(先も述べたが)サ協を中心としたサークル員の団結、すなわち新サークル棟勝ち取った力をサークル個別分断によって断ち切ろうというものである。例えば、もし各サークルが「届け」を提出するという前提を作ってしまえば、「届け」を出していないサークルにはカギを貸さないなど、大学はサークルを個別に「管理」することが可能となる。
 しかし逆にいえば、現状でそうなっていないのは、私たちサークル員に大学にそれをさせないだけの力が残っているということである。それ故今回の「届け」も殆どのサークルが未提出にいたっている。これが、(先も確認したが)140ものサークルが「自主管理、自主運営」の元、1サークル1部室24時間使用を勝ち取っている所以である。
 今後もこの形態を維持、発展するには、過去の経緯から現在に至っているということを認識し、サークル員全てがこれらの問題に向き合い、考えることである。それによって初めてサークルという存在があたり前ではないということがわかり、そしてこれらの問題が単に問題ではなく、攻撃であることが認識できる。以上を問題提起として終わりたい。

・参考文献
 ・文化部サークル協議会 シアワセになりたい! 改定版 「新歓パンフレット2003」
 ・文化部サークル協議会運営委員会 「10.23サ協定例総会議案」 2003.10.23
 ・座散乱木 誠 ただ乗りと「公共財」 「プロパガンダーラ第二号」 2003.4.09